退職が少しずつ視野に入ってきた。夜、スマホで「おひとりさま 終活」と検索しては、家族あり前提の情報ばかりで、自分にはどうもしっくりこない。「自分にもしものことがあったら、誰に何を託せばいいんだろう」。そんな思いを抱えている方に、まず読んでいただきたいページです。
私自身、50代でバツイチ・おひとりさま、子どももいません。「50代独身の終活」を書く資格がいちばんあるとすれば、それは実際にこのテーマを人生で歩いている人だろうと思います。だからこのページでは、世間でよく語られる「50代独身は終活を急いだほうがいい」という論調から少し離れて、当事者として日々感じている 「50代独身ならではの安心と自由」 についてお伝えしていきます。
終活は、不安を消すためだけにやる作業ではありません。50代独身の私たちにとっては、「これからの自由をデザインする時間」だと、私は強く思っています。
このブログ「終活はじめの一歩」では、当事者の目線で、無理のない始め方を一緒に考えていきます。
50代独身の終活、まず押さえておきたい考え方
「家族に迷惑をかけない」だけにしない
50代独身の終活の話は、つい「身寄りがないと困るから、ちゃんと準備しておきましょう」という不安の話に寄りがちです。
もちろん、現実的な準備は大切です。けれど、それだけが理由だと、終活そのものが気の重い作業に見えてきます。私の経験では、「自分はこれからどう生きたいか」 から考え始めたほうが、ずっと自然に手が動きます。
独身であることは、自由でもある
家族や子どもがいる方は、ライフプランに家族の都合が大きく関わってきます。それに対して、50代の独身は、行く場所、使う時間、お金の使い道を、ご自身の意思だけで決められます。
「独身は寂しい」という見方もある一方で、「独身は自由」という側面は、もっと語られていいと、当事者として強く感じます。マイラーとして世界を回りたいと思えばすぐ動けるし、新しいスポーツに挑戦するのも、誰にも気兼ねがいりません。
50代独身が終活を始める、3つの良さ
① 体力と判断力が、まだしっかり残っている
終活には、思った以上に「考える時間」と「動く時間」が必要です。50代であれば、断捨離も、書類整理も、専門家との打ち合わせも、ご自身の意志で動けます。
70代・80代になってから一気にやろうとすると、体力的にも気力的にも、大きな負担になりがちです。50代の余裕は、終活を続けるためのいちばんの資産です。
② セカンドライフの設計につながる
50代独身の終活は、「死後の準備」だけでなく、定年後の暮らし方を考える時間と、自然にひとつながりになります。
住まいをどうするか、お金をどう使いたいか、誰と過ごしたいか、何を新しく始めたいか。終活というよりも、人生の「後半戦」の設計図づくり、と呼んだほうが近いかもしれません。
③ 不安を整理しておくことで、いまの時間を自由に使える
「もしものとき、どうなるんだろう」という漠然とした不安を、終活で具体的な準備に置き換えていく。
整えるべきところが整っていれば、いまの時間を、もっと自由に楽しむ余白が増えます。私自身、終活と向き合いはじめてからのほうが、いまの暮らしを楽しむ気持ちが軽くなったと感じています。
50代独身が終活でやっておきたい、5つのこと
① 財産の整理
預貯金、有価証券、不動産、保険、年金、ネット銀行、暗号資産。「いまどこに、いくらあるか」をご自身で一覧にしてみる作業です。
プラスもマイナスも含めて、現状が見えてくると、「これからのお金の使い方の優先順位」が、自然と整います。
また、独身の方で法定相続人がいない場合、財産は最終的に国に帰属することになります。「お世話になった人へ」「特定の団体へ」など、意思を反映させたい場合は、公正証書遺言として残すのがおすすめです。司法書士・行政書士・弁護士など、専門家への相談を最初から想定に入れましょう。
② 断捨離・生前整理
物の量は、暮らしの軽やかさにそのまま直結します。
50代独身の場合、亡くなったあとに整理してくれる家族がいないことも多いので、生前に少しずつ整えておくと、ご自身の日々が過ごしやすくなりますし、いざという時の第三者の負担も大きく軽くなります。「今日は引き出しひとつ」「今日は1冊」くらいから、長い目で。
③ PCやスマホなどデジタルの整理
意外と後回しになりがちなのが、デジタル領域の整理です。SNSアカウント、サブスク、ネット銀行、写真や動画のクラウド保存、メール。本人しか知らないパスワードが残ると、誰にも気づかれず手続きが進まないリスクがあります。
一覧表にまとめて、信頼できる人にも保管場所を伝えておきましょう。デジタルの整理は、独身の方こそ早めに着手したい領域です。
④ エンディングノートを書きはじめる
整える内容を1冊にまとめておく場として、エンディングノートをおすすめします。
書く順番のコツは、最初のページから書こうとしないこと。気になるページから少しずつ、書きたくないページは飛ばして大丈夫。気持ちが変われば、何度でも書き直していい「育てるノート」として、長く付き合いましょう。
そして、書き始める前に、巻頭か巻末の空白ページに 「やりたいことリスト」 を1ページ書いてみる。「もし人生があと1年だったら、何をしたい?」という問いに答えていくと、あとの項目も自分らしさが乗りやすくなります。
⑤ 介護に備えて、地域サービスを確認しておく
お住まいの自治体には、地域包括支援センターという相談窓口があります。
要介護になる前から相談できる窓口で、独身の方にとっては心強い情報源になります。「いざという時に、どこに連絡すればいいか」を、お元気なうちにひと言確認しておくだけでも、安心感が大きく変わります。
50代独身が、第三者にお願いしておきたいこと
独身の場合、いざという時に動いてくれる「家族」がいない、もしくは遠方にいることが多くあります。だからこそ、信頼できる第三者に、あらかじめお願いしておく仕組みづくりが大切です。
① 病気や入院の際の身元保証
入院や施設入居の際、身元保証人を求められる場面があります。
信頼できる親族・友人がいる場合はその方に、難しい場合は、身元保証を行うNPO法人や民間サービスが用意されています。複数のサービスを比較して、ご自身に合う先を見つけておくと安心です。
② 遺産相続・死後事務の手続き
亡くなったあとの手続き――葬儀、納骨、行政手続き、家財整理、サブスク解約など――を、誰かに委任しておく契約があります。
「死後事務委任契約」と呼ばれるもので、司法書士や弁護士、NPO法人や専門業者が窓口になっています。独身の方にとっては、いちばん大切な準備のひとつです。
③ 葬儀やお墓の生前契約
葬儀やお墓を、生前に契約しておく方法があります。家族葬、一日葬、直葬、樹木葬、海洋散骨、永代供養。選択肢はぐっと増えました。
生前契約をしておくと、いざという時に第三者が困らずに済みます。費用も含めて、納得のいく形を、お元気なうちに選んでおきましょう。
まとめ|50代独身の終活は、自由なこれからをデザインする時間
50代独身の終活は、「ひとりだから仕方なくする活動」ではなく、ひとりだからこそ手にできる 自由なこれからを、自分の手でデザインしていく時間 です。
財産整理、断捨離、デジタル整理、エンディングノート、介護への備え。整えるべきテーマは確かにあります。ただし、その前にぜひ書いてみてほしいのが、「やりたいことリスト」のほうです。
やりたいことが見えれば、整えるべきことも自然と輪郭を持ちます。順番を、ひっくり返してみる。それが、私自身が50代独身の当事者として、いちばんお伝えしたいコツです。
あわせて読みたい:おひとりさまの終活/終活は50代に始めるべき?/50代の終活で断捨離
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