終活の片付けは何歳から始めるべき?最適な 時期と始め方を解説

終活

終活の片付けに興味を持っている方はたくさんいますが、いつ頃から、どのように始めたらいいのかわからず、なかなか始められないという方も多いのではないでしょうか。

しかし実際には、終活の片付けは若いうちから始めることに様々なメリットがあり、調査結果からも50代の多くがすでに終活の片付けを始めているという実態も明らかになってきています。

 

そこで今回は終活の片付けを始める上で最適な時期早いうちから終活の片付けを始めることのメリットについて、詳しく解説します。

また後半では、スムーズに終活の片付けを進めるための手順や注意点、そして終活の片付けで参考になる書籍についても紹介します。

この記事を読めば、終活の片付けについての正しい知識を得ることができ、適切に終活の片付けを始めることができるようになりますよ。

 

1.終活の片付けは何歳から始めるべき?データを元に解説

 

「終活」という言葉の響きから、終活の片付けは70代や80代の、より死を身近に感じる世代が行うものであると考えがちですが、ある調査ではそれよりも若い50代の多くが終活の片付けに強い関心を持ち既に実際に始めているという結果が明らかになりました。

大和ネクスト銀行が行った“2019年ランキングで見る”シニアライフに関する調査では、シニア予備軍とされる50代の23.5%、4人に1人が既に終活を始めていると回答しました。この割合はもちろんシニア世代(60代以降)の41.6%には及びませんが、決して少ない数字ではありません。

参考:“2019年ランキングで見る”シニアライフに関する調査(大和ネクスト銀行)

 

そして50代の方々が実際に行なっている終活のトップは「持ち物の片付け・身辺整理」です。終活を行なっていると回答した50代の実に41.8%の方が片付けを行なっていると回答しています。

参考:“2019年ランキングで見る”シニアライフに関する調査(大和ネクスト銀行)

 

ではなぜ、多くの方が50代のうちから、終活の片付けに取り組もうと考えるのでしょうか。それは終活の片付けを若いうちからから始めることにさまざまなメリットがあるからです。

次章ではこのメリットについて詳しく解説していきます。

 

2.終活の片付けは50代のうちから始めるべき!3つメリットを解説

ここからは終活の片付けを若いうちから始めるメリットを3つ解説します。

・体力のあるうちに片付けを行うことができる。
・老後に備えて生活をリセットすることができる
・早い時期に人生を見つめ直す機会を持つことができる

 

では一つずつ確認してきましょう。

2-1.体力のあるうちに片付けを行うことができる

終活の片付けにはかなりの気力と体力が必要です。70代、80代の死を身近に考える世代になって終活の片付けを始めようと思っても、体が言うことを聞かず、なかなか片付けを進めることができません。

終活の片付けでは、家の中にある家財を全て出して選別し、不要なものを捨て、さらに必要なものを使いやすい場所に収納し直すことになります。場合によっては引越しをするのと同じくらいの労力が必要になります。

どんなに元気な方でも歳を重ねれば体力は衰えてきます。その意味でも終活の片付けはできるだけ早く、できれば50代の体力のあるうちから少しずつ始めるのが理想的と言えるでしょう。

2-2.老後に備えて生活をリセットすることができる

終活の片付けは、自分の死に対しての準備というだけでなく、これから残された人生のために環境をリセットする機会でもあります。

50代は仕事や生活で、人生の節目を迎える時期でもあります。子供世代の独立、また親世代の介護の問題など、様々な変化が起きます。またこれから60代、70代となる自分の老後に備える必要が生じるのもこの時期です。

その意味でも50代は生活をリセットする上でたいへん良い時期であると言えます。

老後に対して早いうちから準備ができれば、老後の不安を和らげ、生活や仕事にもストレスなく打ち込める状況を作ることができるでしょう。

2-3.早い時期に人生を見つめ直す機会を持つことができる

終活の片付けでは、家財の全てについて残すべきものであるかどうかを判断し、必要に応じて処分(断捨離)することになります。思い出の品々についてひとつずつ振り返ることは、人生をゆっくりと振り返る機会であり、これからの自分についてじっくりと考える機会でもあります。

 

平均寿命が伸び続けている現代において50代は人生において折り返し点であるともいえるでしょう。さまざまな人生の節目を迎えるこの時期に、物理的な生活だけでなく、精神的な意味で人生を振り返ることができることは終活の片付けにおける大きなメリットです。

もちろん心が整理され、気持ちに余裕ができれば、これまで行けなかった場所に行ってみたり、できなかったことに挑戦したりと、人生の新たな一歩を踏み出す余裕を生むことにもつながります。

3.終活の片付けを始める前に押さえておきたい3つのコツ

ここからは終活の片付けを始める前に、押さえておきたい3つのポイントを解説します。このポイントをあらかじめ押さえておけば、実際に終活の片付けを行う際に、迷ったり焦ったりしなくて済みます。

・思い入れが少ない物から整理する
・あらかじめ整理をする期間・目標を決めて取り組む
・処分に躊躇するものは捨ててはいけない

では一つずつ確認していきましょう。

3-1.思い入れが少ない物から整理する

終活の片付けで大事なポイントは全てが等しく大切な品であるとは思わないことです。

たくさんのものを片付ける終活の片付けでは、どこから手をつけていいかわからないということもよくあります。家の中を見渡せば、特に思い出の品々が目に止まりますが、そう行ったものは片付けに時間がかかり、なかなか作業が進みません。

まずは思い出の品に優先順位をつけることから始めましょう。ざっと部屋を見渡せば、明らかな不用品がすぐに見つかります。そういったものを、はじめに処分すると決めてしまえば作業はたいへんはかどります。

大切な思い出の品々はあとからゆっくりと吟味しながら片付けを行えばいいのです。

3-2.あらかじめ整理をする期間・目標を決めて取り組む

終活の片付けでは家の中の膨大な量の家財を片付けることになります。これを一度にやることは出来ません。慌ててやろうとすると、捨ててはいけないものを捨ててしまったり、途中で力尽きて中途半端にやめてしまうことにもなりかねません。

このためまずは無理のないスケジュールを立てることが大切です。片付ける家の大きさや物の量によっても変わりますが、2ヶ月〜半年の期間を定め、目標を決めて少しずつ取り組むことをお勧めします。

具体的にいつ、どこを片付けるかをあらかじめ決めておくことも効果的です。

例えば「今日はタンスの1段目と2段目の引き出しだけ片付ける」とか「最初の1ヶ月は寝室、次の月は居間の片付けをおこなう」など、ざっくりとでも目標を決めておけば、焦らずに片付けを進めることができます。

3-3.処分に躊躇するものは捨ててはいけない

終活の片付けでは、多くのものを処分することになりますが、生活に不必要なものであっても深い思い出があるものは無理に捨てる必要はありません。処分を躊躇するものについては一旦判断を保留し後日改めて判断しましょう。

2章でも解説した通り、終活の片付けは、終活であると同時に、これまでの人生をリセットし、これからの人生を豊かにするためのものでもあります。この点から、終活の片付けが決して後悔を生み出すものであってはいけません。終活の片付けだからと言っても自分が納得できなければ処分する必要はないのです。

処分を保留にしたものについては、半年後や1年後にもう一度見直してみるという方法もあります。時間をおいて判断することで冷静に判断することもできるため、おすすめの方法です。

4.終活の片付けをスムーズに行うための4つのステップ

ここからは実際に終活の片付けを行うための手順を4つのステップで解説します。

1.持ち物リストを作成する
2.必要なもの・不要なものを分類する
3.不要なものを処分する
4.必要なものを収納する

では一つずつ解説していきます。

4-1.持ち物リストを作成する

まずは自分が何を持っているのかを把握することが大切です。所持品リストを作ってみましょう。もちろん部屋中の全ての所持品のリストを作る必要はありません。例えば今日は洋服を整理すると決めたら、とりあえず持っている洋服のリストを作ってみましょう。リスト作成の際は以下の点に注意してください。

 

持ち物リスト作成のポイント

・ジャンルに分けてリストアップする
・自分が何をどれだけ持っているかを把握する

所持品リストは洋服や食器、本などジャンルに分けてリストアップすると、持ち物の把握がしやすくなります。リストを作成すれば同じようなものをいくつも持っていたり、自分でも忘れていたものがたくさんあることに気がつきます。今はもう着ることができなくなった服もたくさん残されていることでしょう。

 

例えば、ほとんど同じ色、デザインのスカートやジャケットがたくさんあれば、いくつかを処分することができます。自分が持っていることすら忘れていた服を持ち続ける必要もありませんし、今後同じようなものを買ってしまうことも避けられるようになるでしょう。

自分がどんなものをどれだけ持っているかを把握することによって「こんなにたくさんのものを持っていたのか」「同じようなものばかり買っている」など気がつかなかったこれまでの自分の生活をあらためて振り返ることもできます。

 

4-2.必要なもの・不要なもの・判断を保留するものに分類する

リストアップができたら、必要なもの、不要なものを分類します。以下のポイントに注意して分類を行いましょう。

 

必要なもの・不要なもの・判断を保留するものに分類するときのポイント

・処分するものの基準をあらかじめ定めておく
・思い入れの強いものは無理に捨てない
・片付けが後悔を引き起こすものであってはいけない

分類の際には残すもの、処分するものの基準をあらかじめ決めておくことをお勧めします。

 

例えば洋服であれば、

・1年以上着ていない
・破損している
・サイズが合わなくなっている

などの服は処分すると決め、それに従って分類すれば処分の判断に迷うことは少なくなります。

一方で不要なものに分類されるものであっても、処分に躊躇する思い出の品などが必ずでてくることと思います。そういった思い入れの強いものは無理に捨てるべきではありません。少しでも判断に迷ったら判断を保留し、他のものを分別してください。

 

終活の片付けは部屋の整理であると同時に心の整理でもあります。片付けが後悔を引き起こすものであってはいけないということを覚えておきましょう。

4-3.不要なものを処分する

不要と分類したものは、廃棄することになります。

不要なものを処分する際のポイント

・あらかじめ自治体のルールを確認しておく
・廃棄する前にリサイクル業者に確認を
・状態の良いものであれば知人・友人に引き取ってもらう
・小物類などは、インターネットオークションやフリマアプリなどの利用もおすすめ

様々な種類のものを捨てることになりますので、あらかじめ自治体のルールを確認しておくことをお勧めします。

また、終活の断捨離では、洋服や食器、家具など、捨てるものがまだ使えるものであることもよくあります。そういったものはリサイクル業者に買い取ってもらえるかもしれません。全てではなくても買い取ってくれるものがあれば、捨てる手間も省ける上臨時収入にもなり、一石二鳥です。

また衣類や小物類などは、インターネットオークションやフリマアプリなどの利用もおすすめです。

4-4.必要なものを収納する

次に手元に残しておくものを棚やタンス、押入れの中に収納していきますが、ここでも注意が必要です。

必要なものを収納する際のポイント

・よく使うものは手の届き安い場所に、あまり使わないものは奥の方に収納する
・スペースに余裕を持って収納する

収納の際にはなにより使い勝手を考えることが大事です。よく使うものは手の届き安い場所、あまり使わないものは奥の方に収納します。

導線を考えずに収納してしまうと、後から必要なものを出すのに大変苦労することになってしまいます。ほとんど使わないもの、あまり使わないもの、頻繁に使うものの順に収納することを心がけましょう。

またスペースに余裕を持って収納することも大切です。タンスの引き出しに目一杯に服をしまうと、後々取り出しや片付けが難しくなり大変苦労します。ここでも日常生活で使うことを考えて収納することが大切です。

5.終活の片付けにおける注意点

ここからは終活の片付けで注意しておきたいポイント3つ紹介します。

・書類の処分は十分な注意が必要
・財産に関わるものは特に気を使って整理をする
・デジタル資産の保管にも注意を!

 

5-1.書類の処分は十分な注意が必要

終活の片付けではこれまで保管していたたくさんの書類を確認し、いらないものを処分することになります。銀行や金融機関から送られてきた書類。保険や不動産関連の証書など、書類の種類は多岐に渡ります。

重要な書類を捨ててしまうなどのトラブルは避けなくてはいけませんが、重要な書類の全てを把握できる訳ではありません。書類の中には再発行がなかなか難しいものも多くあり、万が一重要な書類を処分してしまうと後々の手続きなどで大変な手間となるケースもあります。このため、書類の処分については細心の注意が必要になります。

書類の整理は以下の3点に注意して進めることをお勧めします。

 

・見つかった書類は一箇所に集めて保管する
・処分の判断がつかないものについては捨てずに保管する
・デジタル資産の保管にも注意を!

 

この2点を守ることで、万が一、自分が内容を把握していない書類があっても、誤って捨てることだけは避けることができるでしょう。

 

5-2.財産に関わるものは特に気を使って整理をする

書類の整理とも重なりますが、特に財産に関連するものについてはきちんと整理しておく必要があります。特に以下の点を押さえておくことをお勧めします。

・資産関連の書類、預金通帳、印鑑は安全な場所に保管する
・資産のリストを作成する
・不必要な銀行口座や保険は解約する

 

預金通帳や印鑑などはもちろんですが、土地や家などの不動産の権利書、株券などについては、安全な場所に整理し厳重に保管しましょう。また資産のリストを作っておくこともお勧めです。

また使っていない預金通帳や不必要な保険などもこの機会に合わせて整理し、必要に応じて解約するなどの手続きも行なっておくといいでしょう。

 

終活の片付けは家の中の物だけに限って行うことではありません。身の回りに関わる全てにおいて無駄を省きシンプルな生活を心がけることが大切です。

 

5-3.デジタル資産の保管にも注意を!

デジタル資産の管理も、終活の片付けに合わせて行なっておきましょう。

・アカウント、パスワードはリストにまとめて保管する

ネット銀行の口座やSNSなど、多くの方が、生活の中でネット上の様々な種類のアカウントを使用しています。アカウント名やパスワードなどは日々増えていきますが、なかなか十分に管理ができないというのが実情です。これらを忘れないように一括で管理しておけば、いざという時にも安心です。

6.終活の片付けで参考になるオススメの本3冊

終活の片付けを進めるために役立つ本を3冊ご紹介します。

6-1.シニアのための なぜかワクワクする片づけの新常識 (朝日新書)

出典: シニアのための なぜかワクワクする片づけの新常識 (朝日新書)

 

整理収納アドバイザーで「幸せ住空間セラピスト」の肩書を持つ筆者が、終活の片付けの方法を、具体的にわかりやすく解説しています。

これまでに2000件以上の住宅を実際に訪問し、整理や収納を行なってきた経験を元に作り出した「幸せ住空間メソッド」を元に、楽しく負担の少ない片付けの方法を教えてくれます。

本の中で紹介する「シニアのためのらくらく片づけ5ステップ」に従って片付けを進めれば、誰でも簡単に終活の片付けを実践することができます。

詳細情報はこちらからご確認ください。

 

6-2.案ずるより、片づけよう 住まいの老い支度

出典: 案ずるより、片づけよう 住まいの老い支度

物欲のままにさまざまなものを買い、溜め込んできた筆者が老いを前にして快適な住まいとはどんなものかについて考え、最適の片付けを紹介している本です。

「バリアフリーよりもフリースペース」、「ものは無理をして捨てなくていい」など老後を楽しく快適に過ごすための「住まいの老い支度」という視点から終活の片付けを解説します。

詳細情報はこちらからご確認ください。

6-3.50過ぎたら、ものは引き算、心は足し算 (祥伝社黄金文庫)

出典: 50過ぎたら、ものは引き算、心は足し算 (祥伝社黄金文庫)

50歳を過ぎてから始める断捨離や老前整理について、わかりやすく説明しています。

 

年齢を経るごとに、生活をするために必要なものは少なくなります。余計なものを少しずつ処分する「引き算」の暮らしの実践によって心を豊かで軽やかにすることを解説し、それを実践するために必要な掃除や片付けの方法を詳しく教えてくれます。

人生の転換点を迎え、これから迎える老後に備える50代が終活の片付けの方法や心構えを知る上で、大変参考になる本です。

詳細情報はこちらからご確認ください。

 

まとめ

今回は終活の片付けについて解説しました

若いうちから終活を始めることに3つのメリットがあることを解説しました。

・体力のあるうちに片付けを行うことができる
・老後に備えて生活をリセットすることができる
・早い時期に人生を見つめ直す機会を持つことができる

以上のような点から人生の節目を迎える50代のうちに終活の片付けを始めるのが最適と言えます。

 

また終活の片付けを始める前に押さえておきたいポイントとして以下の3つについて解説しました。

・優先順位を決めて片付ける
・あらかじめ整理をする期間・目標を決めて取り組む
・処分に躊躇するものは捨ててはいけない

 さらに実際に終活の片付けを行うための手順、注意点、そして最後には終活の片付けで参考になる本についても紹介しました。
この記事が、あなたが終活の片付けを始める上での助けとなることができれば幸いです。

 

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