終活の準備に必要な5項目|「やりたい」を中心に整える、はじめての一歩

「終活の準備って、何から始めればいいの?」
夜、スマホで調べてみると、項目が山のように出てきて、ますます混乱してしまう。「そろそろやらないと」と思いながら、結局そのまま画面を閉じてしまう。そんな経験はありませんか。

私が終活協議会の活動でお伝えしているのは、終活の準備は 「やりたいこと」と「整えておくこと」の2層で考える ということです。

「やりたいこと」を先に書き出して、その実現を支える形で「整えておくこと」を進める。この順番にすると、終活全体がぐっと自分らしくなり、続けるエネルギーも切れにくくなります。

このブログ「終活はじめの一歩」では、その順番で5つの準備項目をご紹介していきます。

終活の準備を、なぜしておくのか

終活の準備をする理由として、世間でいちばんよく語られているのは「家族に迷惑をかけないため」です。これも大切な側面ですが、私はそれだけだと、準備自体が気の重い作業に見えてしまうと感じています。

準備をしておく本当の意味は、「これからの自分の時間を、もっと自由に使うため」です。

整えるべきことを整えておけば、もしものときの心配が減り、いまの暮らしを楽しむ余白が増えます。終活の準備は、不安を整理するためというよりも、自由な「これから」をつくるための作業として捉えてみてください。

終活の準備に必要な5つのこと

世間で語られる「終活の準備」の代表的な5項目を、私の現場感覚で解説します。

お伝えしておきたいのは、この5つを全部やる必要はないということです。気になるところから、ご自身のペースで、ひとつずつ。

① エンディングノートの作成

終活の準備として、もっともおすすめの入り口がエンディングノートです。

書く中身は、家族への申し送り情報と、ご自身のこれからを考える記録、両方を兼ねます。1ページ目から書こうとせず、気になるページから少しずつ、何度でも書き直していい「育てるノート」として、長く付き合っていきましょう。

そして、いちばん最初に書いてほしいのは、項目情報ではなく、巻頭か巻末に 「やりたいことリスト」 を1ページ書き出すこと。「もし人生があと1年だったら、何をしたい?」という問いに答えていくと、あとの項目も「自分にとってはこうしたい」という色が、自然と乗ってきます。

② 葬儀・お墓の準備

葬儀のスタイルは、ここ10年で大きく多様化しました。家族葬、一日葬、直葬、生前葬。お墓も、樹木葬、海洋散骨、永代供養と、選択肢が広がっています。

まずは、「絶対こうしてほしくない」「これがあると嬉しい」というレベルから書き出してみてください。葬儀社の生前予約や、お墓の見学なども、いまは気軽にできます。

③ 遺影の準備

意外と忘れがちですが、家族が困ることのひとつが「遺影に使う写真選び」です。

スマホやアルバムに膨大な写真があるほど、「どれを選べばいいか分からない」という状況になります。気に入っている写真を1〜2枚、別フォルダや封筒に分けておくだけでも、家族はとても助かります。

これは、いまの自分への「いい一枚」探しの時間にもなりますので、ご自身のためにもおすすめの作業です。

④ 相続・遺言書の準備

相続は、金額の大小にかかわらず、家族間で揉めごとの種になりやすいテーマです。

エンディングノートには「気持ち」を、公正証書遺言には「法的な意思」を、と書き分けるのがコツです。司法書士・行政書士・弁護士などの専門家への相談を、最初から想定に入れておくと安心です。

⑤ 生前整理の準備

物が多いと、ご自身の暮らしも日々しんどく、家族にも負担がかかります。一気にやろうとせず、「今日は引き出しひとつ」「今日はサブスクひとつ」くらいから。

50代以降の生前整理は、「これから何年、どんな暮らしをしたいか」を考える時間としても、かけがえのないものになります。

終活を始めるタイミング

終活を始めるタイミングに、決まった「正解の年齢」はありません。ふと「自分のこれから」を考えた時が、その人にとっての始めどきです。

それでも目安があると安心、という方には、40〜50代の節目(親の体調が気になり始めた時、仕事の区切り、子どもの独立など)をおすすめしています。

20〜30代の方は、ライフプラン設計の延長として。60〜70代の方は、定年後の暮らしを整える時間として。いつ始めても、「いまから」がいちばんいい時期です。

終活の準備をスムーズに進めるための3つのコツ

① 家族との対話を、急ぎすぎない

「終活を始めた」と家族に伝えたとたん、空気が重くなってしまう、というケースは少なくありません。

まずはご自身でゆっくり考え、ご家族とは、機が熟したタイミングで少しずつ話し合う。一気に決めようとせず、対話のきっかけを増やしていく感覚で進めましょう。

② 「悔いを残さない」より「やりたいを増やす」

「悔いを残さないように」と意気込むと、終活そのものが、どこか後ろ向きの作業になりがちです。

そうではなく、「やりたいを少しずつ増やす」感覚で進めていく。やりたいことが見えてきて、その実現を支えるための準備として整えていく。この順番のほうが、私の現場経験では、ずっと長続きします。

③ 信頼できる終活相談先を持っておく

相続、税金、不動産、介護、医療。ご自身だけでは判断が難しいテーマは必ず出てきます。

自治体の終活窓口、社会福祉協議会、終活カウンセラー・終活ガイドの無料相談、司法書士・行政書士・弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナー。ためらわず、専門家の手を借りる選択肢を最初から想定に入れておきましょう。

私自身も、書籍 『終活スペシャリストになろう』(幻冬舎、2021年)で、頼れる相談先の見つけ方をまとめています。

まとめ|準備は「やりたい」を中心に組み立てる

終活の準備は、「家族に迷惑をかけないため」だけにやるものではありません。

やりたいことを先に書き出して、その実現を支える形で5つの準備項目を整えていく。「やりたい」を中心に組み立てる と、終活がぐっと自分のものになり、続けるエネルギーも長く続きます。

完璧を目指す必要はありません。気になる項目から、自分のペースで、ひとつずつ。それが、終活の準備のいちばんの近道です。

このブログ「終活はじめの一歩」では、はじめての方が無理なく踏み出せる「やりたいことリスト」としての終活を、これからもやさしく綴っていきます。

あわせて読みたい:終活とは?終活でやることリスト40項目終活はいつから始める?

書き手のことを、もう少し知っていただけたら嬉しいです。
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