「終活を始めたいけど、どうやって準備すればよいかわからない……」
終活についての話題を耳にし、自分でも実践してみようと思ったけれど、具体的にはどんな準備が必要なのかがわからず、始めるのに手間取ってはいませんか?
また、こうお考えの方もいらっしゃるでしょう。
「まだ若いから、終活の準備は後からでよいか」
一般的には60代になってから本格的に考え始めるイメージがありますが、実は、終活を始めるのに早すぎて問題になることはほとんどないのです。
むしろ、余裕を持った早め早めの終活準備こそ、残りの人生の充実につながります。
今回の記事では、
・終活の準備に必要な6項目
・終活をはじめるタイミング
・終活をスムーズに進めるためのポイント
について解説していきます。
1. 終活の準備をしておく重要性
「人生の終わりについて考える活動」という意味の「終活」。
言葉のイメージだけだと、ややマイナスな考え方ではないかと思われるかもしれません。
しかし、終活が持つ本来の目的として、以下の2つがあります。
1.自分の亡き後に家族への負担を減らすため
2.これまでの生き方を見直し、残りの人生を悔いなく生きるため
1つ目は、残された家族になるべく迷惑をかけないための取り組みです。
葬儀やお墓についての希望を明記しておき、相続面のトラブルに発展しないよう、事前に準備をしておきます。
2つ目は、余生を後悔することなく生きられるようにするためです。
年齢を重ねると怪我や病気による体力面の衰えや、認知機能の低下により、正確な判断が下しにくい状態になってしまいます。そうなる前に、しっかりと物事を考えられるタイミングで終活の準備をすることで、安心した老後につなげられるのです。
いずれも、非常に前向きな考え方であり、多くの方が終活の準備を始められている理由になっています。
終活の準備に早すぎるなんてことはありません。大切な家族や充実した残りの人生を謳歌するためにも、思い立った時に準備を開始するのがよいでしょう。
2. 終活の準備に必要な5項目
終活を始めるにあたり、具体的に準備すべき内容について解説します。
終活のすべてを完了させるには時間と根気が必要です。
少しずつできる範囲から準備を進めることで、しっかりとした形にしていけるでしょう。
ここでは、以下の5つの項目別に、終活準備の内容について見ていきたいと思います。
1.エンディングノートの作成
2.葬儀・お墓の準備
3.遺影の準備
4.相続・遺言書の準備
5.生前整理の準備
2−1. 1.エンディングノートの作成
終活の準備において、「事前に伝えておきたいこと」や「亡き後の希望」を記載できる、「エンディングノート」を作成しましょう。
遺言状とは異なり法的な効力はありませんが、家族が葬儀などの手続きをスムーズに進めるための参考となる情報になります。
エンディングノートの書き方に決まった作法はなく、自由に作れます。
市販のノートを購入して自作してもいし、インターネット上からダウンロードすることもできます。
以下は、エンディングノートに記載する内容の一例です。
・デジタル関連の遺品になりそうな物のパスワード
・相続について
・葬儀について
・お墓について
など、家族に伝えたい内容をリストアップして記載しておきましょう。
エンディングノートはこれから準備する終活の全体像を見据える上でも重要なものですから、最初に作成するのもよいでしょう。
2−2. 2.葬儀・お墓の準備
気が早いと感じるかもしれませんが、葬儀やお墓の準備をしておくのも、終活では大切なことです。
葬儀の準備となると、突然の不幸に見舞われた家族にとっては大きな負担です。
葬儀の希望や自分の宗教・宗派をあらかじめ伝えておくことで、スムーズにことを運ばせることが可能になります。
葬儀の規模についても、「家族葬を希望する」「一般的な規模の葬儀を希望する」など、意思を明確にしておくとよいでしょう。
また、銀行口座が凍結されて葬儀費用の捻出が大変になることも想定されるので、事前に費用を用意しておくか、葬儀保険などに加入して家族が困らないようにしておくことも検討してみてください。
生前にお墓を購入したり、納骨堂と契約したりしておけば、葬儀後の家族の負担を減らせます。
2−3. 3.遺影の準備
葬儀の際に必要になる遺影は、生前に撮影するなどして準備しておくのもよいでしょう。
葬儀の直前に家族が写真を探しても、あまりよいものが見つからない場合があるため、事前に納得のいく写真を準備しておくのです。
遺影は長く飾り続けるものなので、写真の選定にはこだわりたいところですよね。
2−4. 4.相続・遺言書の準備
家族間の相続トラブルを回避するためにも、遺言書を作成しておきましょう。
エンディングノートには法的効力がないため、「誰に何を譲りたい」という希望については、きちんと遺言書に記載する必要があります。
・家族の誰に何を残したいかを決める
・銀行口座など資産の保管場所を明記する
上記の2つは特に重要になります。
作成した遺言書の保管場所は、家族に伝えておくようにしましょう。
遺言書については、定められた形式で正しく作成する必要があります。
2−5. 5.生前整理の準備
終活では残された家族の負担を減らすため、生前整理を行います。
遺品整理の際に物が多いと家族の負担が増えるため、今のうちに不要だと思うものを処分してしまうのもよいでしょう。
できる範囲から手をつけていき、もう使わない家電や家具、衣類などは専門業者に依頼して引き取ってもらうことも視野に入れられます。
生前整理の最中で、家族に引き継いで欲しいと思うものを選別できるメリットもあります。
譲りたいものがあれば、誰に渡すかを明確にしておきましょう。
また、パソコンやスマートフォンに入っているデジタルデータの生前整理に含まれます。
アドレス帳の個人情報や各種パスワードなど、家族に伝えておくべき内容があれば、きちんとまとめておきましょう。
3. 終活をはじめるタイミング
終活で準備すべき内容について把握できたら、次は「いつはじめればよいのか?」と疑問を抱かれることでしょう。
終活を始めるのに明確な年齢は定まっていません。
一般的には60代に入ってから終活について考える方の割合が多くなっていますが、早く準備を進めてもなんの問題もありませんよ。
以下は、各年代ごとの終活への考え方となります。
・30〜40代からの終活
結婚して家庭を築いたり、社会的な地位が高まったりする傾向のある30〜40代。
多くのライフイベントを体験する年代であるため、終活についてじっくり考える余裕はないかもしれません。
しかし、大切な家族のことを考えて、将来的なライフプランの設計を始めるきっかけになるでしょう。
・50代からの終活
子供が独立するなど、家族構成が大きく変わる50代。
仕事面では定年退職が見えてきた頃でもあり、自身の健康状態などを考えながら、終活について準備を始めるには、ちょうどよいタイミングといえます。
・60代からの終活
定年退職を迎え、生活スタイルに大きな変化が生まれる60代。
老後を見据えて終活について本格的に考える方が増えてきます。
時間的な余裕が生まれるので、これを機に終活準備をはじめるのがよいでしょう。
・70代からの終活
葬儀の内容など、具体的なイメージを家族に伝えておく年齢といえます。
まだ元気のあるうちに、終活についてまとめるとよいでしょう。
4. 終活をスムーズに進めるためのポイント
終活をスムーズに進めるためのポイントについても確認しておきましょう。
・家族と話し合ってみる
・悔いが残らないようにしておく
・信頼できる終活相談サービスに相談する
上記の3つのポイントが大切になってきます。
4−1. 家族と話し合ってみる
終活は独断で進めるよりも、家族と相談しながら行うことで、よりスムーズに進めることができます。
ある日突然、生前整理などを始めたのでは、周囲から驚かれてしまうでしょう。
心配をかけないためにも、目的を持って終活の準備を進めていることを家族に共有するのです。
一緒に作業をしたほうが効率的になり、遺品に関しても誰に何を渡すかを明確にできます。
思い出の共有にもつながるでしょう。
また、せっかく作成したエンディングノートや遺言書が家族に見つけてもらえない可能性があります。
作成した書類はどこに保管しているかを伝えておきましょう。
4−2. 悔いが残らないようにしておく
終活は自分の人生を振り返る作業でもあります。
エンディングノートを作成したり、生前整理を進めたりするうちに、過去を思い出す機会が多く訪れるからです。
「これまでの人生でなし得なかったこと」「これから打ち込んでも間に合いそうな趣味」など、自分の中で不完全燃焼だった問題を解決できる場合があります。
終活へのモチベーションを高めることで、スムーズに準備を進められるようになるでしょう。
終活により残りの人生を有意義に過ごせるよう、道しるべを作り出すことも、悔いなく生きるために欠かせないことなのです。
4−3. 信頼できる終活相談サービスに相談する
終活に関しては、信頼のできる終活相談サービスに依頼することが大切です。
終活準備における、エンディングノートの書き方や相続・遺言書の問題など、終活の専門家の意見をもらったほうがスムーズに進められる場合が多いからです。
また、残念ながら終活を利用した悪徳業者が存在します。
終活を装った詐欺や、生前整理時のトラブルなどの報告があります。
万が一、悪徳業者に関与してしまわないよう、終活相談サービス経由で、信頼と実績のある業者を紹介してもらうようにするとよいでしょう。
私たち「終活の相談窓口」では、終活準備の相談を無料で受け付けています。
終活の進め方についてアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ:終活の準備に必要な6項目を確認!スムーズに進めるためのポイント
終活の準備においては、以下の5項目から着手します。
1.エンディングノートの作成
2.葬儀・お墓の準備
3.遺影の準備
4.相続・遺言書の準備
5.生前整理の準備
明確な順序はありませんが、最初にエンディングノートの作成を行うとよいでしょう。
自分自身の振り返りになり、終活で希望するビジョンを明確にできます。
終活の準備を始めるのにタイミングは決まっていないため、思い立った時にスタートさせられます。
終活をスムーズに進めるには、家族の協力が不可欠です。
自分一人の問題だと思わずに、家族の意見も取り入れながら、自身の終活への思いを伝えるようにしましょう。
特に、高齢になるほど判断能力が低下しがちなので、家族ととに物事を決めるほうが、不要なトラブルの回避につながります。
終活の相談窓口へご相談ください。