終活をはじめるのはいつから?適切な年齢別のタイミングを解説

終活

メディアで取り上げられる機会の増えた「終活」。

「そろそろ終活について真剣に考えてみよう」とお思いの方も多いと思います。
しかし、「終活はいつから始めればよいのか?」という疑問を抱かれたのではないでしょうか?

 

結論からいうと、終活には「いつから始めなくてはならない」という決まりはありません。
興味を持ったその時からスタートさせて大丈夫なのです。

定年を迎えて子供が独立した60代や健康面の不安を感じる70代だけではなく、30代のうちから終活について考え始める人もいます。

 

今回の記事では終活をいつからはじめるべきかについて、詳しく解説します。

・終活を行う理由
・終活を始めるタイミングはいつからなのか?
・年代別の終活をはじめる目的

について説明しているので、どうぞご覧ください。

 

1. 終活を行う理由

終活とは、「人生の終わりについて考える活動」のことです。

自分の死について考えるためマイナスなイメージを抱きがちですが、実際はとてもプラス思考なものです。

 

終活を行う理由としては、主に以下の2つの目的があります。

・残りの人生を悔いなく過ごすため
・家族への負担軽減

終活は余生を悔いなく過ごし、残された家族になるべく迷惑をかけないよう、今のうちからできることを始めておくという、とても前向きな考え方のことなんです。

 

 

1−1. 残りの人生を悔いなく過ごすため

「一寸先は闇」といわれるように、人生の先々を完璧に見通すことはできません。
そのため、残りの人生にどんなことが起こったとしても、悔いなく過ごすために終活が進めることが大切といえます。

まだ自分はまだまだ健康だと思っていても、明日には突然体調を崩したり、不慮の事故に巻き込まれてしまったりする可能性はゼロではないからです。

 

何か取り返しのつかない事態が起こってしまってから後悔するよりも、あらかじめ準備を進めておくことで、いざという時に備えておけることが終活の意義といえるでしょう。

意識がはっきりしており、体力の残っている間に人生の終わりを見据えることで、将来的な不安の払拭にもつながります。

 

1−2. 家族への負担軽減

自分の死後に残された家族へ迷惑をかけないためにも、終活による負担軽減をめざせます。
急なトラブルに見舞われた際、自分の医師を配偶者や子供に伝えられる状況にあるとは限りません。

そこで、事前に下記のような内容を決めておくことで、家族への心的負担を大幅に減らすことができます。

・財産の相続について
・医療や介護に対する意思
・葬儀やお墓について

終活では「エンディングノート」というものを作成し、上記の内容を家族に伝えるようにします。

 

エンディングノートには、プロフィールや、医療や介護について、葬儀やお墓について、財産について、大切な人へのメッセージなどを記載することが多いようです。残された家族が困らないよう、必要なことを書き出しておきましょう。

 

 

2. 終活を始めるのはいつから?きっかけとなるタイミング

終活はいつから始めればよいのかは、非常に気になるところです。

以下は、「終活を始めていますか?」という調査について総計をとったデータです。


「すでに始めている」が11.4%、「近いうちに始める予定である」が10.7%という回答でした。
年代別の内訳を見ると、60代以上の人が終活を始めている、始めようとしていることがわかります。つまり、60代が終活を始める一つのタイミングといえるのです。

 

しかし、終活について考えるきっかけは人それぞれ
もっと早い段階で終活をスタートさせる人も多くいます。

ここでは、終活を始めるきっかけになることが多い、4つのタイミングについて解説します。

・子育てが終わり定年退職した60代
・身近な存在を失った時
・体調不良や病気になった時
・終活を始めるのに明確なタイミングはない

 

2−1. 子育てが終わり定年退職した60代

定年退職し仕事がひと段落する60代。
子育ても終わり、子供たちはすでに独立しているケースが多いでしょう。

自由に使える時間が増えるため、これからの人生についてじっくりと考えを巡らせやすくなります。

夫婦2人きりの生活になることも多く、どちらかに先立たれた後のことについて話す機会も増えてきます。

 

2−2. 身近な存在を失った時

配偶者や友人など、身近な存在を失うことで、自分の死についても真剣に考える機会が訪れます。
同年代の人生の終わりを見届けることで、自分の余生へと目を向けるきっかけになるのです。

実際に葬儀や相続などの手続きを行うことで、残された家族への負担を減らしたいと思う人も多いようです。

家族間での精神的、金銭的なトラブルに発展しないよう、事前に自分の意思を伝えるためにも、終活を始めます。

 

2−3. 体調不良や病気になった時

急な体調不良や病気を発症した時は、非常に不安に感じるもの。

それまでは健康だと思っていても、「これから先の人生では何が起こるかわからない」ことを理解し、終活について真剣に考えるきっかけになるのです。

自分が健康なうちに残された家族へ意思を伝えておくことで、精神的、金銭的な負担の軽減につなげたいという思いから、終活をスタートさせるのです。

 

2−4. 終活を始めるのに明確なタイミングはない

終活を始めるのに明確なタイミングというものは決まっていません。
終活について真剣に考えたいと思ったタイミングで始めてしまっても、何の問題もないのです。

しかし、若いうちから終活を始めることで、余裕を持った計画を立てることができます。

人生の終わりについて考えるのに、老いも若いもありません。
心身ともに健康で余力のあるうちから人生を見据えることで、広い視野で物事を考えられるようになるでしょう。

 

また、これまでの人生を振り返ることで、残りの人生を悔いなく生きようと思う原動力にもなります。

終活をしたいと思った時こそ、はじめるにふさわしいタイミングといえるのです。

 

3. 終活の進め方の流れを確認

終活をすすめるにあたって、一連の流れについても把握しておきましょう。
基本的には、以下の5つの流れに沿って実施します。

 

1:エンディングノートを書く
2:お葬式について
3:お墓選び
4:遺言書、相続について
5:生前整理

順番に内容を確認しましょう。

 

1:エンディングノートを書く

人生の終わりに備えて、自分の意見や家族への希望を記載しておくエンディングノート。
葬儀の内容や読んでほしい人の希望、大切な人へのメッセージを書き記すことができます。

最初にエンディングノートの作成に着手することで、終活において必要なものが把握しやすくなります。

 

 

2:お葬式について

お葬式の内容に希望がある場合は、事前に決めて家族に伝えておきましょう。

お葬式には「一般葬儀」「家族葬」「密葬」などがあり、内容や規模に合わせて選んでおくことで、家族への負担を減らすことができます。

 

3:お墓選び

先祖代々のお墓があればそこに入る、新規にお墓を購入する必要がある、など、お墓についても準備しておきましょう。
自分の宗派やお墓の維持費なども調べておく必要があります。

 

4:遺言書、相続について

残された家族が相続トラブルに発展しないよう、事前に遺言書を残しておきましょう。
遺言書は正しい書式で作成する必要があり、法的な効力を持つため、エンディングノートとは分けて作成する必要があります。

 

5:生前整理

少し気が早く感じるかもしれませんが、生前整理により身の回りのものを見つめ直しましょう。
不要なものを分別するだけでなく、家族に譲りたい品を吟味するためでもあります。

まだ元気の残っているうちに生前整理を始めることで、体力的にも精神的にも余裕を持って進めることができます。


終活はなるべく元気のある、若いうちに始めた方が効率よく進めることができます。
これまでの人生を見直すきっかけになり、余生をいかに過ごすかを再検討できるよい機会にもなりますよ。

終活の進め方で不明点があれば、終活相談サービスを利用するとよいでしょう。

無料相談を受け付けています。

 

 

 

4. 年代別・終活をはじめる目的

終活をいつから始めるかは、自分次第です。

ここでは、年代別に終活を始める目的について解説します。

 

・30〜40代からの終活:ライフプランの設計
・50代からの終活:環境の変化に合わせる
・60代からの終活:新しいライフスタイルへ向けて
・70代からの終活:自分の意思を伝えておく

年代によって置かれた立場や余生への考え方が全く異なります。

ご自身の年齢と比較して検討材料にしてみてください。

 

4−1. 30〜40代からの終活:ライフプランの設計

30代になると、結婚して家庭を築いたり、仕事で責任のある立場になったりする人が増えてきます。特に子供が生まれることで、成長を見守りながら家族サービスに使う時間が増えるなど、ライフイベントが盛んになります。

 

子育てや仕事に手一杯で、終活について考える余裕は少ないと思いますが、将来的なライフプランの設計を行なっておくことは、自分や家族の人生を豊かなものにするのに欠かせません。

 

40代になると、子供が成長しており、仕事における社会的な地位が高くなります。
疲れやすくなったり病気がちになったりするなど、健康面での不安が出てくる年代でもあるため、一旦立ち止まって人生について考えることが大切になるでしょう。

家族への相続など、この機会に考えてみてもよいかもしれません。

 

4−2. 50代からの終活:環境の変化に合わせる

50代になると、子供が成長して独立するなど、家族構成に変化が見られる年代です。
人によっては両親の介護をしたりするケースがあるかもしれません。

 

また、自身の健康面においても、少しづつ不安が出始める頃。
周囲の環境の変化に合わせて、今後の人生を見据えるのに最適な年齢といえるでしょう。

家族のことを考え、終活を始めるには決して早すぎないタイミングです。

 

4−3. 60代からの終活:新しいライフスタイルへ向けて

60代になると、多くの人は定年退職を迎えます。
近年では定年後も再雇用制度などを利用して働き続ける人が増えていますが、比較的に自由に使える時間が増える年代でもあります。

 

これまでの生活スタイルが一変してしまうことも少なくありません。
余暇を夫婦で過ごしたり、趣味に打ち込んだりすることで充実させることも大切ですが、終活について真剣に始めるタイミングといえます。

時間や体力に余裕のある60代のうちに終活を進めておくことで、余生を安心して過ごすことが可能になります。

 

4−4. 70代からの終活:自分の意思を伝えておく

70代になると体力的にも精神的にも衰えを感じる頃です。
人生の終わりについて、しっかりと考えをまとめておくことが大切になります。

 

寝たきりになってしまうなど、自分の意見を伝えられなくなる状況になる前に、残された家族に対して明確な意思表示を残しておくべきです。

葬儀にかかる費用の準備や列席してもらいたい人物のリスト作成など、具体的な内容を決めておくことで、家族への負担を減らすことができます。

 

まとめ:終活をはじめるのはいつから?適切な年齢別のタイミングを解説

終活を始めるのにいつから、という具体的な決まりはありません。
思い立った瞬間から始めてしまっても、何の問題もないのです。

データとしては、定年退職による環境の変化や体力の衰えを感じやすくなる60代に入ってから、終活について真剣に考える人が多い傾向にあります。

まだまだ体力があり、時間的な余裕のある60代ならではのライフスタイルは、終活をはじめるのに適しているといえるでしょう。

 

しかし、早い段階から終活を始めることで時間的な余裕が生まれ、残りの人生をしっかりと見据えたい生き方の実現につながりやすいのも事実。

まずは、エンディングノートの作成から始めるなど、少しずつできる範囲から取り組んでいくことが、終活の取っ掛かりとなるのです。