「おひとりさまにも終活が必要……?」
「ひとりだし、別に終活なんてしなくていいんじゃないの……?」
と疑問に思ってはいませんか?
結論から言うと、おひとりさまにも終活が必要です。
なぜならおひとりさまが終活をしなかった場合、次のような問題が起きる危険性が高くなるからです。
・医療や介護が必要になったとき頼れる人がいない
・孤独死をして他人に迷惑をかける
しかし終活の意向がある人のうち36.0%もの人が、「なにから手を付けていいかわからない」という理由で、終活を始められていません。
今のまま終活を始めないと、身体が思うように動かなくなった場合のリスクが高くなる一方です。
そこで今回は、安心できる老後のために、おひとりさまが終活でやるべき8つのことを解説します。
また、今すぐおひとりさまが終活を始められるように、おすすめのセミナーや相談サービスも紹介しますね。
本記事を読めば、おひとりさまの終活の必要性が理解でき、今すぐ終活の準備を進めることが可能です。
「老後の不安を軽減したい……」という方は、ぜひ参考にしてくださいね。
1.おひとりさまに終活は必要!終活をしなかった場合の2つのリスク
おひとりさまにも終活は必要です。
しかし実際のところ、終活の意向がある人に「すでに終活を実施しているか」と質問すると、「実施している」と回答した人は全体のわずか7.9%しかいません。
終活の意向がある人の中で、すでに終活を実施している人の割合 | |
実施している | 7.9% |
予定はないが、時期が来たら始めたい | 76.5% |
近いうちに始める予定 | 10.2% |
実施する予定はない | 5.4% |
参考:楽天インサイト株式会社「終活に関する調査」
このように、終活をしたいけど行動に移せていない人は多いです。
ところが、おひとりさまがこの先も終活しなかった場合、以下2つのリスクが起きる危険性が高まります。
・医療や介護が必要になったとき頼れる人がいない
・孤独死をして他人に迷惑をかける
まず始めに、終活をしなかった場合の問題点を解説しますね。
1-1.医療や介護が必要になったとき頼れる人がいない
おひとりさまが終活をしなかった場合、医療や介護が必要となったときに頼れる人がいません。
身体が思うように動くうちは、終活の必要性をあまり感じにくいですが、人は誰でも老いていくものです。
なので終活をしていないと病気や怪我をしたとき、
・子供が遠くに住んでいて助けを呼べない
・誰に頼ればいいのかわからない
という状況になります。
終活をしていざというときに信頼できる人を見つけていないと、老後の安全・安心を確保するのは難しいです。
1-2.孤独死して他人に迷惑をかける
おひとりさまが終活をしなかったら、孤独死をして他人に迷惑をかける可能性が高くなります。
何歳の人であっても、急に倒れてしまう危険性はゼロではありません。
実際に、独立行政法人都市再生機構が管理する賃貸住宅約76万戸で、単身の居住者が孤独死するケースを見てみると、平成12年には235件だったのに対し、平成21年には665件まで増加しています。
出典:内閣府「平成22年版高齢社会白書」
もしなんの前触れもなく倒れて孤独死した場合、
・自治体の人が遺体の引き取り手を探す
・引き取り手が見つからなかったときは、自治体の担当者に火葬、埋葬される
・遺体が腐敗していると、倒れた家の不動産会社の人や近隣住人に迷惑をかける
というように、他人にたくさんの負担をかけてしまいます。
なるべく周囲の人に迷惑をかけたくないなら、今のうちから終活を始めることがおすすめです。
しかし、「終活はなにをすればいいのかわからない……」と悩む方も多いのではないでしょうか?
そこで次に、おひとりさまが終活でやるべきことを紹介します。
2.おひとりさまが終活でやるべき8つのこと
おひとりさまが終活でやるべきことは、主に8つあります。
・身の回りの物の整理
・財産の整理
・遺言書の作成
・「任意後見制度」の手続き
・「死後事務委任契約」の手続き
・人や地域との繋がりを作る
・葬儀やお墓の生前契約をする
・エンディングノートを書く
順番に解説するので、ぜひ実行してみてくださいね。
2-1.身の回りの物の整理
おひとりさまが終活をするなら、身の回りの物を整理しましょう。
身の回りの整理ができていないと、
・散らかっている物に躓いて骨折する
・身体が弱ってから片付けをして腰を痛める
というように、怪我の原因になってしまいます。
また、あまりにも多くの物があると、以下のように残された人が処理に困る場合もあります。
・思い入れのある物を捨てられない
・捨てたくても量が多くて時間がかかる
身体が元気で判断能力が高いうちに整理を済ませていると、自分や残された人の負担を減らすことが可能です。
終活の断捨離について詳しく知りたい人は下記の記事もチェック! |
【事例あり】終活で断捨離はするべき!その理由と後悔しない断捨離方法 |
2-2.財産の整理
終活をするなら身の回りの物だけでなく、財産の整理もしましょう。
なぜなら自分の資産がどれくらいか把握できれば、老後の生活費や医療費、葬儀などに「あとどれくらい必要なのか?」がわかるからです。
そのため、以下の事項を確認して、あなたの資産を整理してみてください。
預貯金 | 持っている金融口座をリスト化して、預貯金を把握する。使っていない口座は閉じる。 |
保険 | 生命保険や損害保険、個人年金の契約内容や保険金の受取人などを確認する。 |
株式や債券 | 持っている株式や債券をリスト化し、運用報告書をまとめておく。 |
不動産 | 持っている不動産の査定額や維持管理にかかる費用などを確認する。 |
時価で値のつく物 | 骨董品や貴金属、美術品など、時価で評価されて値がつく物があれば、リスト化しておく。 |
借金 | クレジットカードやローンなどの借金があれば、返済額とローン残高を確認する。 |
財産を正確に把握できれば今から備えるべきお金も見えるので、人生のお金の計画を見つめ直すきっかけにもなります。
2-3.遺言書の作成
おひとりさまが終活をするなら、遺言書を作成してください。
もしあなたに子供がいる場合、遺言書がないと相続人同士でトラブルになる可能性があります。
また、「特に残すほどの財産はない……」「残す家族もいない……」という方もいるかもしません。しかし、財産が少なくても遺言書を残していないと、あなたの財産は国のものになってしまいます。
遺言書があれば、親族でなくてもお世話になった人へ相続できるので、財産を残したい相手を明記することは大切です。
【注意点】
遺言書は、書いても相続人に発見してもらえないと無効になってしまいます。 |
2-4.「任意後見制度」の手続き
おひとりさまが終活するなら、「任意後見人制度」の手続きを済ませてください。
任意後見制度とは、老化によって判断能力が下がった場合に、
・財産の管理
・医療や介護サービスの事務手続き
などを、あなたの代わりに行ってくれる人を指定できる制度です。
任意後見人になる人は、家族だけでなく友人や弁護士などの信頼できる人にお願いできます。もし弁護士や司法書士に任意後見契約を依頼する場合は、10〜20万円ほどが必要です。
任意後見制度の手続きをしていれば、脳梗塞による障害や事故、認知症などを発症したとき、以下のようなリスクを回避できます。
・適切な医療や介護のサポートが受けられない
・第三者にあなたの財産を不当に使われる
また、任意後見制度を利用する場合は、家庭裁判所の担当者が任意後見人の行為を監視してくれるので、より安心することが可能です。
おひとりさまが終活をするなら、もしものために信頼できる人と任意後見制度の手続きをしておきましょう。
2-5.「死後事務委任契約」の手続き
おひとりさまの終活では、「死後事務委任契約」の手続きも済ませておいてください。
死後事務委任契約とは、自分が亡くなったときに必要な手続きを代行してくれる人と結ぶ契約です。死後事務委任契約は、親族や友人、司法書士や行政書士などの信頼できる人へ依頼できます。
死後事務委任契約をしていれば、近くに頼れる親族がいなくても、亡くなった後の手続きをスムーズにすることが可能です。
人が亡くなった後にする手続きは以下のように意外にも多く、なかなか大変な作業となっています。
・葬儀の手続き
・死亡届の提出
・公共料金やクレジットカードの手続き
・親族への連絡
・健康保険や年金の資格を抹消する申請
・病院や介護施設の清算
・家財道具や生活用品などの遺品整理
頼れる親族がいないなら、終活の準備として死後事務委任契約の手続きをしておきましょう。
2-6.人や地域との繋がりを作る
おひとりさまが終活をするなら、人や地域との繋がりを作っておくことをおすすめします。
なぜなら、おひとりさまだと「もしも」のことがあったとき、すぐに気づいてもらえないケースも多いからです。
なので、
・訪問サービスを利用する
・地域のイベントに積極的に参加する
・趣味の習い事をする
などしていれば、なにかあったときにお互い助け合える環境が整います。
人との繋がりを築くのは簡単ではありませんが、信頼できるコミュニティに属せるよう日々行動しておきましょう。
2-7.葬儀やお墓の生前契約をする
おひとりさまが終活するなら、お葬式やお墓の「生前契約」をしておくといいでしょう。
生前契約とは、亡くなる前に葬儀やお墓の契約を済ませておくことです。内容にもよりますが、葬儀やお墓の生前契約は約15〜30万円ほどのところが多くなっています。
葬儀やお墓の生前契約を事前にしていると、お葬式から納骨までを円滑に行うことが可能です。
また生前契約をすると、次のようなメリットも得られます。
・残された家族への金銭的、精神的な負担を減らせる
・自分の希望通りの葬儀ができる
「自分が亡くなった後に迷惑をかけたくない……!」という人は、葬儀やお墓の生前契約をしておくのがおすすめです。
2-8.エンディングノートを書く
おひとりさまが終活するなら、エンディングノートを書いてください。
エンディングノートとは、
・自分自身について
・医療や介護の希望
・葬儀やお墓
・遺言書について
・財産について
・知人や友人の連絡先
・家族へのメッセージ
などについてを書き留めるノートのことです。
エンディングノートを書けば、自分の考えや想いを残された人に伝えられます。
エンディングノートに法的な効力はありませんが、
・自身の人生を振り返るきっかけになる
・遺言書などの保管場所を伝えられる
・どんな最期を迎えたいかという意思表示ができる
など、さまざまなメリットがあるので、終活をする人の中にも作成する人が多いです。
とはいえ、「エンディングノートって具体的にはなにを書けばいいの……?」「書き方に決まりはあるの……?」と思う方も多いのではないでしょうか?
そんな方は、ぜひ以下の記事を参考にエンディングノートを書いてみてください。
エンディングノートの書き方について詳しく知りたい人は下記の記事もチェック! |
【例文有り】エンディングノートの書き方をわかりやすく解説! |
ここまで、おひとりさまが終活でやるべき8つのこと解説しました。
しかし、「終活はしたいけど、なにから手をつけていいかわからない……」と感じる方もいると思います。
そこで次の章では、おひとりさまが安心して終活を始める方法をお伝えしますね。
3.おひとりさまが安心して終活を始める3つの方法
おひとりさまが安心して終活を始めたければ、以下3つの方法を試してみてください。
・おひとりさまの終活セミナーに参加する
・無料の終活相談サービスを活用する
・終活サービスを利用する
順番に解説しますね。
3-1.おひとりさまの終活セミナーに参加する
おひとりさまが今から終活を始めるなら、まずは終活セミナーに参加してみてください。
終活セミナーでは、
・終活とはどういうものなのか
・お墓の選び方
・保険
・葬儀
・お金の相続
など終活に関わるいろんなことを、終活のプロが説明してくれます。
そのため、終活についての疑問が解消をすることが可能です。
特に、以下の終活セミナーがおすすめなので、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめの終活セミナー |
・イオンの終活
・セレモア |
終活セミナーには、遺影の写真撮影会や霊園の見学などの体験型イベントを開催しているものもあります。
なので、気軽に終活について知りたい方は、一度無料の終活セミナーへ参加してみましょう。
終活のセミナーについて詳しく知りたい人は下記の記事もチェック! |
終活セミナーとは?学べる内容 と 1 日の流れを紹介【開催中の 団体一覧付き】 |
3-2.無料の終活相談を活用する
おひとりさまが今から終活を始めるなら、無料の終活相談を活用するのもおすすめです。
終活相談では、終活の疑問点を質問できるだけでなく、あなたに必要な終活のポイントをプロの相談員からアドバイスしてもらえます。
終活セミナーより濃い内容の相談ができるので、「自分は終活のためになにをすればいいのか?」を具体的にすることが可能です。
「終活」と言っても、人によって内容ややるべきことの優先順位は異なるので、個別に相談できるサービスを使うとより万全の準備を整えられます。
無料の終活相談を行っている「終活の相談窓口」では、
・医療・介護
・相続
・遺品整理・生前整理
・葬儀・お墓
など、終活に関するさまざまな相談を受け付けています。
「終活について気になる点がある……」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
無料の終活相談はこちら |
3-3.終活サービスを利用する
おひとりさまが今から終活を始めるなら、終活サービスを利用するのもおすすめです。
終活に必要な全てのことを、自分ひとりでやるのは簡単ではありません。
しかし、終活のプロが終活の準備を手助けしてくれる、以下のようなサービスを使えば、スムーズに終活を進められます。
・葬儀周りのサービス…葬儀社、霊園・散骨業者、遺影写真の撮影
・死後の手続きにかかるサービス…遺言状、相続手続きの代行
・人のお世話が必要になった時のサービス…介護施設や高齢者住宅、成年後見人の手配
・健康なうちに受けられる便利なサービス…生前整理、写真のデータ保存
自分で準備するのが大変だと思うものは、思い切ってプロの力を借りましょう。
終活サービスについて詳しく知りたい人は下記の記事もチェック! |
終活サービスとは?詳細なサービス内容とおすすめの会社・相談先一覧 |
4.おひとりさまにおすすめの終活本3選
ここまでおひとりさまの終活について解説しましたが、「もっと終活について詳しい情報が知りたい!」と思う人もいるのではないでしょうか?
そこでここでは、今から終活を始める人におすすめの終活本を3つ紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
4-1.おひとりさまの終活 自分らしい老後と最後の準備
出典:Amazon
今から終活を始める方におすすめなのが、中澤まゆみさんの「おひとりさまの終活 自分らしい老後と最後の準備」という本です。
この本では、多くのおひとりさまが不安に思っている以下の内容など、孤独死しないためのヒントが詳しく綴られています。
・お金
・介護
・見守りシステム
・相続
・葬儀やお墓
終活はただの死に向けての活動ではなく、「そこそこ、いい人生だった」と前向きに思って旅立てるための準備だと理解できる本です。
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おひとりさまの終活 自分らしい老後と最後の準備
4-2.ひとり終活 不安が消える万全の備え
出典:Amazon
「ひとり終活 不安が消える万全の備え」という本も、これから終活をしたい人におすすめです。
元気なうちは「ひとりが気楽で心地よい」と考えていた人でも、年齢を重ねるごとに老後の不安が大きくなります。
この本ではそんな不安を解消するために、
・認知症になった自分を守る「任意後見制度」
・急に倒れたときに備える「見守りサービス」
・葬式や墓の手続きなどを代行してもらう「死後事務委任契約」
など、おひとりさまが気になっているさまざまな問題を紹介し、それに対処する方法を詳しく解説しています。
老後をただ心配するだけでなく、「実際に行動することで安心が得られる」と気付かされる本です。
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ひとり終活 不安が消える万全の備え
4-3.見てわかる! おひとり様の老後
出典:Amazon
おひとりさまの終活についての知識を深めたいなら、「見てわかる! おひとり様の老後」という本がおすすめです。
おひとりさまは家族がいる人よりも、亡くなった場合についてしっかりと考えておく必要があります。
この本では、おひとりさまの老後で実際に起こったトラブルなどを解説しているので、老後の不安感を軽減することが可能です。
また、おひとりさまがやるべきことをチェックシートで確認できるため、「終活でなにをすべきか」がわかりやすくなっています。
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見てわかる! おひとり様の老後
終活の本について詳しく知りたい人は下記の記事もチェック! |
【ベストセラー多数】おすすめの終活本 77 選! 人気の終活本を目的別に厳選 |
5.まとめ
おひとりさまにも終活は必要です。
おひとりさまが終活をしないと、
・医療や介護が必要になったとき頼れる人がいない
・孤独死をして他人に迷惑をかける
など、さまざまな問題に直面する可能性があります。
なので、少しでも安心できる老後を迎えたいなら、以下の8つのことを実行しましょう。
・身の回りの物の整理
・財産の整理
・遺言書の作成
・「任意後見制度」の手続き
・「死後事務委任契約」の手続き
・人や地域との繋がりを作る
・葬儀やお墓の生前契約をする
・エンディングノートを書く
おひとりさまが今すぐ終活を始めれば、将来に対する漠然とした不安感は軽くなりますよ。
そして終活をする中で、「終活の専門家に個人的に相談したい……」と思ったなら、ぜひ「終活の相談窓口」の終活相談をご活用ください。
終活のプロが、あなたの悩みを解決する手助けをさせていただきます。
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